ニキビ跡治療ガイド|3タイプ分類と治療法の完全比較
ニキビ跡に悩んで皮膚科やクリニックを受診したものの、「とりあえずダーマペン」「とりあえずレーザー」と言われた経験はありませんか。ニキビ跡にはタイプがあり、タイプごとに最適な治療は異なります。
本ガイドは、ニキビ跡の正しい分類から治療法の比較、費用相場まで、治療選択に必要な情報を網羅したガイドです。
このガイドでわかること
- ニキビ跡の3タイプ分類とセルフチェック方法
- 6種類の治療法の効果・ダウンタイム・費用比較
- タイプ別おすすめ治療マトリクス
- クリニック選びの3つのポイント
ニキビ跡の3タイプ分類|あなたのニキビ跡はどれ?
萎縮性ニキビ跡の3タイプ(Jacob分類)
2001年にJacobらが発表した分類(Jacob分類)に基づき、クレーター状のニキビ跡(萎縮性瘢痕)は3タイプに分類されます。萎縮性瘢痕はニキビ跡全体の80%以上を占めるとされています(PMC5749614)。
| タイプ | 形状の特徴 | サイズ | 発生割合 | 深さ |
|---|---|---|---|---|
| アイスピック型 | V字型の鋭い穴 | 2mm以下 | 約60% | 深い |
| ボックスカー型 | 垂直な辺縁を持つ四角い凹み | 様々 | 約25% | 浅〜中等度 |
| ローリング型 | 皿状のなだらかな凹み | 4mm以上 | 約15% | 浅〜中等度 |
アイスピック型は最も頻度が高く、アイスピック(氷の錐)で刺したような小さくて深い穴が特徴です。開口部は狭いですが真皮深層まで達しています。
ボックスカー型は辺縁が垂直に切り立ち、底面が平坦な四角い凹みです。水疱瘡の跡に似た見た目で、浅いタイプと深いタイプがあります。
ローリング型は皮下組織の線維性癒着が皮膚を引き下げることで生じます。辺縁はなだらかで、照明の角度により凹みの見え方が変わります。
赤みニキビ跡(PIE)と色素沈着ニキビ跡(PIH)の違い
クレーター以外のニキビ跡として、色調変化を伴うタイプがあります。
| 項目 | PIE(赤み) | PIH(色素沈着) |
|---|---|---|
| 原因 | 炎症後の毛細血管拡張 | メラニン色素の過剰沈着 |
| 色調 | 赤〜ピンク | 褐色〜暗褐色 |
| ガラス板圧迫 | 赤みが消退する | 色が残る |
| 自然経過 | 数ヶ月〜1年で薄くなることがある | 半年〜数年で薄くなることがある |
| 日本人の特徴 | ― | Fitzpatrick III-IVのため好発しやすい |
PIEは炎症により毛細血管が拡張した状態であり、血流による赤みのため圧迫で消退します。PIHはメラニン色素の沈着であるため、圧迫しても色が残存します。
セルフチェック|自分のニキビ跡タイプを確認する方法
自宅でできる簡易チェックのポイントは3つです。
- 指で皮膚を引っ張る: 凹みが消えるならローリング型の可能性が高い。消えなければアイスピック型かボックスカー型。
- 凹みの開口部を観察: 小さな点状ならアイスピック型。辺縁がはっきり四角ければボックスカー型。
- 透明なコップで圧迫: 赤みが消えればPIE、残ればPIH。
ただし、ニキビ跡は複数タイプが混在していることがほとんどです。正確な診断と治療方針の決定には、専門医の診察を受けることをおすすめします。
ニキビ跡はなぜできる?|メカニズムと自然治癒の限界
ニキビ跡ができるメカニズム
ニキビ跡(特に萎縮性瘢痕)は、以下の4段階を経て形成されます。
- 炎症: ニキビ菌の増殖により真皮に強い炎症が起こる
- 組織破壊: 炎症に伴い、真皮のコラーゲンやエラスチンが分解される
- 修復異常: 本来コラーゲンが再構築されるべき過程が正常に機能せず、組織の欠損が残る
- 瘢痕固定: 線維組織が異常に形成され、凹みや癒着として固定される
特にローリング型では、線維性の癒着が皮膚を下に引っ張り続けるため、凹みが固定されます。
クレーターは自然に治る?|赤み・色素沈着との違い
PIE(赤み)やPIH(色素沈着)は時間の経過とともに自然軽快する可能性があります。 PIEは数ヶ月から1年、PIHは半年から数年で薄くなるケースがあります。
一方、萎縮性瘢痕(クレーター)は自然治癒がきわめて困難です。 真皮の構造が破壊され、線維組織として固定されているためです。クレーター改善には医療治療が必要であり、コンビネーション治療により50〜80%の改善が現実的な目標となります。
ニキビ跡の治療法一覧|タイプ別おすすめ比較表
治療法6種の総合比較表
| 治療法 | メカニズム | 適応タイプ | 改善率 | ダウンタイム | 費用(1回) | 推奨回数 | PIHリスク |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| サブシジョン | 皮下癒着の切断 | ローリング型 | 50-70% | 1-2週間 | 22,000〜66,000円 | 3-5回 | 低 |
| TCAクロス | 化学的組織再構築 | アイスピック型 | 75%著明改善 | 3-7日 | 15,000〜80,000円 | 3-5回 | 中 |
| ニードルRF | RF照射によるリモデリング | ボックスカー型・全般 | 中〜高 | 2-5日 | 30,000〜100,000円 | 3-5回 | 低〜中 |
| ダーマペン | 物理的穿刺による創傷治癒 | 浅いボックスカー型 | 中 | 2-3日 | 13,200円〜 | 5-10回 | 低 |
| フラクショナルCO2 | レーザー蒸散+再生 | ボックスカー型 | 中〜高 | 5-10日 | 30,000〜80,000円 | 3-5回 | 高(20%) |
| ピーリング | 化学的表皮剥離 | PIH・浅い瘢痕 | 低〜中 | 1-3日 | 5,000〜20,000円 | 5-10回 | 低 |
タイプ別おすすめ治療マトリクス
| ニキビ跡タイプ | 第一選択 | 第二選択 | 補助治療 |
|---|---|---|---|
| アイスピック型 | TCAクロス | フラクショナルCO2 | ― |
| ボックスカー型(浅) | ダーマペン/フラクショナル | ニードルRF | ピーリング |
| ボックスカー型(深) | ニードルRF | フラクショナルCO2 | ― |
| ローリング型 | サブシジョン | サブシジョン+フィラー | ニードルRF |
| 赤み(PIE) | 血管レーザー | ピコトーニング | 外用薬 |
| 色素沈着(PIH) | ハイドロキノン外用 | ピコトーニング | ピーリング |
| 混合型 | コンビネーション治療 | ― | ― |
混合タイプにはコンビネーション治療
実際の臨床では、多くの患者さんが複数タイプを併せ持つ混合型です。アイスピック型とローリング型が同じ頬に存在する、クレーターにPIHが重なっているなどのケースが大半を占めます。
混合型に対しては、各タイプに最適な治療を段階的に組み合わせるコンビネーション治療が最も効果的です。例えば、サブシジョンで癒着を切断した後にTCAクロスでアイスピック型を治療し、最後にニードルRFで全体を仕上げるプロトコルがあります。
ニキビ跡治療のダウンタイム・痛み・副作用
治療法別ダウンタイム比較
| 治療法 | 赤み | 腫れ | 内出血 | 社会復帰 |
|---|---|---|---|---|
| サブシジョン | 1-2日 | 3-5日 | 1-2週間 | 3-7日 |
| TCAクロス | 3-5日 | 軽度 | なし | 3-7日(かさぶた) |
| ニードルRF | 1-3日 | 1-2日 | 稀 | 翌日〜2日 |
| ダーマペン | 1-2日 | 1日 | 稀 | 翌日〜2日 |
| フラクショナルCO2 | 5-7日 | 2-3日 | なし | 5-10日 |
仕事を休めない方には、ダウンタイムの短いニードルRF(ポテンツァ等)やダーマペンから始め、長期休暇を利用してサブシジョンやTCAクロスを計画するのも現実的な選択肢です。
日本人特有のPIH(色素沈着)リスクと予防法
日本人はFitzpatrick分類のIII〜IVに該当し、治療後の色素沈着(PIH)が生じやすい肌質です。特にフラクショナルCO2レーザーでは約20%にPIHが報告されています(PMC3937506)。
PIHリスクを低減するために、以下のプライミングプロトコルが推奨されます。
- 治療2〜4週間前からハイドロキノンやトレチノインの外用を開始
- 治療後は徹底した紫外線対策(SPF50+)
- 治療後のハイドロキノン外用継続
治療前に医師とPIHリスクについて十分に話し合い、予防策を講じることが重要です。
ニキビ跡治療の費用相場|東京エリアの目安
治療法別の1回あたり費用
| 治療法 | 費用相場(1回) | 備考 |
|---|---|---|
| サブシジョン | 22,000〜66,000円 | 範囲・個数により変動 |
| TCAクロス | 15,000〜80,000円 | 個数による |
| ニードルRF(ポテンツァ等) | 30,000〜100,000円 | Ledian Clinic: ポテンツァS25 ¥31,900〜 |
| ダーマペン4 | 13,200〜40,000円 | Ledian Clinic: 全顔 ¥13,200〜 |
| フラクショナルCO2 | 30,000〜80,000円 | ― |
| ピーリング | 5,000〜20,000円 | ― |
重症度別の総治療費目安
| 重症度 | 総治療費の目安 | 治療期間 |
|---|---|---|
| 軽度(浅いクレーター・PIH中心) | 5〜20万円 | 3〜6ヶ月 |
| 中等度(複数タイプ混在) | 20〜50万円 | 6〜12ヶ月 |
| 重度(深いクレーター多数) | 40〜80万円 | 12〜18ヶ月 |
※料金は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。効果には個人差があります。
ニキビ跡治療で後悔しないためのクリニック選び
クリニック選びの3つのポイント
- タイプ分類に基づく診断力: 「とりあえずダーマペン」ではなく、Jacob分類に基づいてタイプを正確に診断し、説明してくれるクリニックを選びましょう。
- 複数治療法の提供: 1つの治療法しかないクリニックでは、タイプに合った最適な治療を受けられない可能性があります。サブシジョン・TCAクロス・ニードルRFなど複数の選択肢を持つクリニックが理想です。
- コンビネーション治療の実績: 混合型に対応できるプロトコルと実績があるかどうかは、治療結果に直結します。
六本木エリアでニキビ跡治療をお探しの方は、Ledian Clinicでもポテンツァ・ダーマペンをはじめとした複数の治療法をご用意しています。
まずはカウンセリングで相談を
ニキビ跡治療の第一歩は、正確なタイプ診断です。自分のニキビ跡がどのタイプに該当するのかを把握したうえで、最適な治療計画を医師と一緒に立てることが、改善への最短ルートです。
まずはカウンセリングで、あなたのニキビ跡の状態を専門医に診てもらうことから始めてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. ニキビ跡は自然に治りますか?
A. 赤み(PIE)は半年〜1年で薄くなる場合があります。色素沈着(PIH)も時間とともに改善する可能性があります。しかし、クレーター(萎縮性瘢痕)は自然治癒がきわめて困難です。医療治療で50〜80%の改善が現実的な目標です。
Q2. ニキビ跡の種類はどう見分けますか?
A. アイスピック型(小さく深い穴)、ボックスカー型(四角い凹み)、ローリング型(なだらかな凹み)の3タイプに加え、PIE(赤み)とPIH(色素沈着)があります。指で皮膚を引っ張る、コップで圧迫するなどの簡易チェックは可能ですが、正確な分類は専門医の診察を推奨します。
Q3. クレーターは完全に消せますか?
A. 残念ながら、100%の消失は現在の医学では困難です。しかし、コンビネーション治療により50〜80%の改善が期待できます。「完全に消す」ではなく「目立たなくする」ことが現実的なゴールです。
Q4. ニキビ跡治療は何回通えば効果が出ますか?
A. 治療法により異なります。ダーマペンは5〜10回、サブシジョン・TCAクロス・ニードルRFは3〜5回が目安です。コラーゲンリモデリングに時間がかかるため、計画的な通院が重要です。
Q5. 仕事を休まずにニキビ跡治療できますか?
A. ニードルRF(ポテンツァ等)は翌日から社会復帰可能、ダーマペンも2〜3日で回復します。サブシジョンやフラクショナルCO2はダウンタイムが長めのため、スケジュール調整が必要です。
まとめ|正しい診断と治療選択で理想の肌へ
ニキビ跡治療の第一歩は、正確なタイプ診断です。自分のニキビ跡がどのタイプに該当するのかを把握したうえで、最適な治療計画を医師と一緒に立てることが、改善への最短ルートです。
治療選択の重要なポイント
- ニキビ跡には5つのタイプがある
- タイプごとに最適な治療は全く異なる
- 複数タイプ混在(混合型)がほとんど
- コンビネーション治療が最も効果的
- 正確なタイプ診断がすべての始まり
「何回通っても改善しない」という悪循環を避けるためにも、まずはプロの診断を受けることをおすすめします。
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