AGA・薄毛治療ガイド|内服薬から最新の再生医療まで治療法を比較解説
「最近、鏡を見るたびに生え際や頭頂部が気になる」「シャンプー時の抜け毛が増えた気がする」――こうした変化を感じている方は少なくありません。
薄毛の治療法は年々進歩しており、内服薬・外用薬による基本治療から、エクソソーム注入をはじめとする再生医療まで、多くの選択肢が存在します。一方で、選択肢が多いがゆえに「自分には何が合うのか」と迷う方も多いのが現状です。
本記事では、AGA(男性型脱毛症)およびFAGA(女性型脱毛症)の発症メカニズムから、各治療法の比較、治療開始のタイミングまで、医学的根拠に基づいて解説します。
この記事でわかること
- 薄毛の原因とメカニズム(AGA・FAGA)
- 内服薬・外用薬・注入療法の選択肢
- 治療開始のタイミングと継続の重要性
薄毛の原因とメカニズム
AGA(男性型脱毛症)
AGAの根本原因は、男性ホルモンの一種である**DHT(ジヒドロテストステロン)**です。
体内のテストステロンが5αリダクターゼという酵素の働きによってDHTに変換されると、毛乳頭細胞の受容体と結合し、毛周期(ヘアサイクル)を短縮させます。通常2~6年ある成長期が数ヶ月~1年にまで短縮されることで、毛髪は十分に太く長く成長する前に抜け落ちてしまいます。
5αリダクターゼにはI型とII型があり、I型は全身の皮脂腺に、II型は前頭部・頭頂部の毛包に多く分布しています。AGAが前頭部や頭頂部から進行するのは、この分布パターンが原因です。
日本人男性の約30%がAGAに該当するとされ、思春期以降であればどの年代でも発症しうる疾患です。
FAGA/FPHL(女性型脱毛症)
女性の薄毛は、以前は「FAGA(女性男性型脱毛症)」と呼ばれていましたが、近年は**FPHL(Female Pattern Hair Loss)**という名称が主流です。
男性のAGAが前頭部・頭頂部に集中するのに対し、FAGAは**びまん性(頭髪全体が薄くなる)**パターンが特徴です。加齢に伴うエストロゲンの減少やホルモンバランスの乱れ、鉄欠乏性貧血、甲状腺疾患、過度なダイエットやストレスなど、複数の要因が絡み合って発症します。
男性AGAと異なり、完全なハゲになることは少ないものの、分け目の幅が広がる、全体のボリュームが減るなど、本人にとって深刻な悩みとなるケースは多くあります。
基本治療(内服薬・外用薬)
フィナステリド/デュタステリド(男性向け)
AGAの第一選択薬は、5αリダクターゼ阻害薬であるフィナステリド(商品名:プロペシア)およびデュタステリド(商品名:ザガーロ)です。
フィナステリド
- II型5αリダクターゼを選択的に阻害。DHT抑制率は70~73%
- 2005年に国内承認。5年間の服用で99.4%の症例に効果が認められた報告がある
- 推奨度A(強く勧める)に分類
- 月額費用:3,000~8,000円(ジェネリック)
デュタステリド
- I型・II型の両方を阻害。DHT抑制率は90~92%
- 日本では2015年にAGA治療薬として承認。フィナステリドの約1.6倍の増毛効果
- 推奨度A(強く勧める)に分類
- 月額費用:5,000~10,000円(ジェネリック)
いずれも日本皮膚科学会ガイドライン(2017年版)で**推奨度A(強く勧める)**に分類されています。
主な副作用として性欲減退(フィナステリド1.1%、デュタステリド3.9%)、勃起機能障害などがありますが、プラセボ群との差はわずかです。なお、女性(特に妊娠の可能性がある方)は服用禁忌です。
ミノキシジル外用(男女共通)
ミノキシジルは血管拡張作用により頭皮の血流を改善し、毛母細胞の活性化を促す外用薬です。推奨度Aに分類されています。
- 男性用:5%濃度
- 女性用:1~2%濃度
使用開始後1~2ヶ月の「初期脱毛(休止期の毛髪が新しい毛に押し出される現象)」が起こる場合がありますが、これは治療が効いている証拠であり、通常2~4週間で落ち着きます。
なお、ミノキシジル内服薬は日本では**推奨度D(行わないよう勧める)**に分類されており、国内未承認です。
女性向け治療(パントガール・スピロノラクトン)
女性の薄毛治療では、フィナステリド・デュタステリドが使用できないため、以下の治療薬が選択肢となります。
- パントガール: ドイツで開発された女性専用の栄養サプリメント。国内では未承認ですが、サプリメント扱いで処方されることがあります。
- スピロノラクトン: 本来は利尿・降圧薬ですが、抗アンドロゲン作用を利用して女性の薄毛治療に適応外使用されることがあります。
注入治療・再生医療
内服薬・外用薬だけでは十分な効果が得られない場合、成長因子を頭皮に直接注入する治療が選択肢となります。
メソセラピー(育毛カクテル注入)
各種成長因子やビタミン、アミノ酸などを配合した「育毛カクテル」を頭皮に注入する方法です。使用される製剤はクリニックごとに異なります。比較的費用を抑えられる注入療法として位置づけられます。
HARG+療法
ヒト脂肪幹細胞の培養上清液から抽出した成長因子を頭皮に注入する治療です。HARG+は高純化されたエクソソーム製剤を使用した新しいバージョンです。認定クリニックのみで施術が可能という特徴があります。
推奨回数は6~10回。1回88,000~150,000円程度が相場です。
エクソソーム注入
エクソソームは幹細胞が分泌する微小な細胞外小胞で、成長因子・タンパク質・RNAなどを含みます。これを頭皮に注入することで毛包の再活性化を促すという、新しいアプローチの治療です。
月1回×6~12ヶ月の治療が推奨され、3~4ヶ月頃から効果を実感される方が多いとされています。1回5~15万円が相場です。
※エクソソーム注入療法は国内未承認治療です。臨床データの蓄積が進んでいる段階であり、効果や安全性について今後さらなるエビデンスの確立が期待されています。
六本木のLedian Clinicでは、エクソソーム点滴(28,600円/税込)に対応しています。なお、頭皮注入と点滴では投与経路が異なるため、目的に応じた治療法の選択が重要です。
LED治療・低出力レーザー
低出力レーザー(LLLT)やLED照射は、毛母細胞のミトコンドリアを活性化し、細胞のエネルギー産生を促進することで発毛を補助する治療です。日本皮膚科学会ガイドラインでは推奨度B(行うよう勧める)に分類されています。
痛みやダウンタイムがほぼなく、他の治療との併用が可能な点がメリットです。単独での劇的な効果は期待しにくいものの、補助的な治療として注目されています。
治療法の比較表
| 治療法 | 対象 | 効果発現 | 費用目安(月額) | エビデンスレベル |
|---|---|---|---|---|
| フィナステリド | 男性 | 3~6ヶ月 | 3,000~8,000円 | 推奨度A |
| デュタステリド | 男性 | 6~12ヶ月 | 5,000~10,000円 | 推奨度A |
| ミノキシジル外用 | 男女 | 3~6ヶ月 | 3,000~6,000円 | 推奨度A |
| パントガール | 女性 | 3~6ヶ月 | 8,000~12,000円 | 限定的 |
| メソセラピー | 男女 | 3~6ヶ月 | 15,000~50,000円/回 | 限定的 |
| HARG療法 | 男女 | 3~6ヶ月 | 88,000~150,000円/回 | 限定的 |
| エクソソーム注入 | 男女 | 3~4ヶ月 | 50,000~150,000円/回 | 蓄積中 |
| LLLT/LED | 男女 | 6ヶ月~ | 機器による | 推奨度B |
治療の始め方と継続のポイント
早期治療の重要性
AGAは進行性の疾患です。毛包が完全に萎縮(ミニチュア化)してしまうと、どの治療法でも元通りにすることは困難になります。「気になり始めた段階」が治療開始の最適なタイミングです。
治療効果の判定時期(6ヶ月~)
多くの治療法は効果の実感に3~6ヶ月を要します。特に内服薬は最低6ヶ月、可能であれば12ヶ月の継続服用のうえで効果を判定することが推奨されています。「1~2ヶ月で効果がないから」と自己判断で中断するのは避けてください。
継続治療の必要性
AGA治療は「完治」させる治療ではなく、「進行を抑えて現状を維持・改善する」治療です。内服薬を中止すると、3~6ヶ月で元の状態に戻り始めます。長期的な治療計画を医師と一緒に立てることが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. AGAは完治しますか?
A. AGAは完治が難しい進行性の疾患です。治療によって薄毛の進行を止め、発毛を促すことは可能ですが、効果を維持するためには継続的な治療が必要です。早期に開始するほど良好な結果が期待できます。
Q. AGA治療の効果はいつ実感できますか?
A. 治療法によりますが、内服薬・外用薬の場合は早くて3ヶ月、通常6ヶ月程度で変化を実感される方が多いです。写真による経過観察を行うことで、客観的な判断が可能になります。
Q. AGA治療は保険適用されますか?
A. AGAは自由診療のため、健康保険は適用されません。治療費は全額自己負担となります。医療費控除の対象にもなりませんのでご了承ください。
Q. 女性でもAGA治療は受けられますか?
A. 女性の薄毛(FAGA/FPHL)に対する治療は存在しますが、男性用のフィナステリド・デュタステリドは使用できません。女性向けの治療については、当クリニックでもご相談いただけます。
Q. 何歳から治療を始めるべきですか?
A. 薄毛が気になった時点での受診を推奨します。AGAは思春期以降であれば発症しうるため、20代からの治療開始も珍しくありません。進行してからでは選択肢が狭まるため、早めのご相談をお勧めします。
まとめ
薄毛治療の重要なポイント
AGA・薄毛治療は、原因を正確に把握し、自分の状態に合った治療法を選択することが重要です。フィナステリドやミノキシジルといった基本治療から、エクソソーム注入などの再生医療まで、治療の選択肢は広がり続けています。
大切なのは、早い段階で専門の医師に相談し、科学的根拠に基づいた治療計画を立てることです。「まだ大丈夫」と先延ばしにするほど、治療効果を得にくくなるのがAGAの特徴です。
六本木のLedian Clinicでは、エクソソーム点滴をはじめとした薄毛治療に対応しております。まずは無料カウンセリングで、現在の状態と最適な治療法についてご相談ください。
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